高齢化時代の相続税対策

借金苦の長男「母の資金援助」に贈与税はかかるか?

広田龍介・税理士
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 K子さん(80)の夫が亡くなったとき、相続人はK子さんと長男(52)の2人だけだった。将来、K子さんが亡くなった場合には、財産は長男がすべて相続することになる。それを念頭に、自宅はK子さんが相続し、それ以外に夫が保有していた宅地(相続税評価額8000万円)は、K子さんと長男が持ち分2分の1ずつの共有で相続した。

 当時、長男は脱サラ後にIT関連事業を起こし、事業も好調だった。だが、その後、業績は悪化し、負債も膨らんでいった。現在、長男は債務を弁済するのは極めて困難な状態で、生活にも困窮するようになっている。

 K子さんは、長男の窮状を見かね、何とか助けてやりたいという思いだ。資金援助のため、相続した宅地の2分の1の持ち分を長男に贈与することを考えている。

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広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。