ニッポン金融ウラの裏

緊急経済対策「政府と金融業界」意思疎通は十分か

浪川攻・金融ジャーナリスト
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首相官邸に入る安倍晋三首相=2020年4月6日、玉城達郎撮影
首相官邸に入る安倍晋三首相=2020年4月6日、玉城達郎撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府が7日に決定する緊急経済対策をめぐり、経済界の一部に不信感が見え隠れしている。安倍晋三首相や首相官邸と実際に対策を進める役所、さらには金融業界との間の意思疎通に目詰まりが目立ったからだ。

 新型コロナ対策として政府は3月上旬に、日本政策金融公庫による「無利子、無担保」の緊急融資制度を発動させた。中小・零細企業は新型コロナの影響で売り上げ減少が著しく、同制度の申請窓口に企業が殺到した。「緊急融資」ではあるが、必要最低限の審査は行われている。新型コロナの影響が出る前から倒産必至だった企業にお金を貸すわけにはいかないからだ。

 申請が集中したこともあって、窓口の対応には時間がかかっている。東京都内のある建設関連業者は「制度が始まってすぐ申請したものの、審査が通って融資枠が得られたのは4月に入ってからだった」と漏らす。こうした声はあちこちで聞かれる。

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。