海外特派員リポート

アイルランドの路上生活者を脅かす「コロナ禍」

横山三加子・毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)
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ダブリン市内では市民団体がホームレスのため炊き出しを行うのが日常の風景だ=アイルランド・ダブリンで2020年3月4日、横山三加子撮影
ダブリン市内では市民団体がホームレスのため炊き出しを行うのが日常の風景だ=アイルランド・ダブリンで2020年3月4日、横山三加子撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われている欧州では、各国政府が外出制限措置に踏み切っている。欧州各国で毎日数百人が亡くなったというニュースを耳にすると「安心できる場所は家だけだ」という気持ちが自然と強くなる。と同時に脳裏をよぎるのは、そもそも安心できる場所である家を持たない人たちのことだ。

 感染が拡大する直前の3月初旬、ホームレスが社会問題化しているアイルランドを取材した。それだけに、感染症の猛威を前にした社会的弱者の今後が気にかかる。

 私が住む英国と同様にアイルランド政府も新型コロナの感染拡大を防ぐため「STAY AT HOME」と家にとどまるよう呼びかけている。パブやバーなどは営業禁止、学校も休校だ。4月8日時点で約6074人が感染し、235人が死亡している。人口492万人の小国であることを考えると影響は深刻だ。

スマホや銀行口座持つが家がない

 アイルランドは、安定した住居を持たないホームレスが…

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横山三加子

毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)

1981年、埼玉県生まれ。法政大学社会学部卒。2004年、毎日新聞社に入社。岡山支局、大阪本社経済部を経て13年から東京本社経済部。電機・通信業界、経済産業省や財務省、財界などを担当。19年10月から現職。