ニッポン金融ウラの裏

「決算延期か暫定対応か」3月期企業が迫られる選択肢

浪川攻・金融ジャーナリスト
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「緊急事態宣言」発令を受け、人通りが少なくなった銀座4丁目交差点=東京都中央区で2020年4月8日午後、中村琢磨撮影
「緊急事態宣言」発令を受け、人通りが少なくなった銀座4丁目交差点=東京都中央区で2020年4月8日午後、中村琢磨撮影

 新型コロナウイルス問題で緊急事態宣言が出され、3月期決算の企業の集計、公表の作業は一段と困難な状況になっている。3月期決算の企業は5月15日までに決算を公表し、6月末までに株主総会を開催しなければならない。だが、例年通りそのスケジュールを実施することは容易ではないからだ。

 金融庁は4月3日に「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた企業決算・監査等への対応に係る連絡協議会」を設置した。同協議会は事務局の金融庁のほか、日本公認会計士協会、企業会計基準委員会、東証、経団連で構成されている。オブザーバーとして全国銀行協会、法務省、経済産業省が加わった。

 協議会では、企業の決算を大きく左右する「減損処理」などが議論された。店舗や工場などが稼働しなくなったときは適宜、帳簿上の価値を引き下げなければならないが、今回はその見送りが必要との声が出ているためだ。

 しかし、より本質的な問題は、企業が決算発表、有価証券報告書の提出、株主総会の開催というスケジュールを例年通りにこなすことが難しい状況にあることだ。そこで金融庁は、決算期末から3カ月以内と定めている有価証券報告書の提出期限を3カ月延期する方向で議論を進めている。

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。