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新型コロナに負けない「有望日本株銘柄」

エコノミスト編集部
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売り上げが堅調な花王の「ビオレ u 泡ハンドソープ」
売り上げが堅調な花王の「ビオレ u 泡ハンドソープ」

 新型コロナウイルスの感染拡大に揺さぶられ続ける株式市場。コロナ禍に負けない注目銘柄は。週刊エコノミスト4月21日号の巻頭特集「コロナ相場に勝つ 日本株」より、経済ジャーナリストの和島英樹氏のリポートをお届けする。

「アビガン」開発の富士フイルム富山化学

 3月17日に開催された中国科学技術省の記者会見では、インフルエンザ治療薬「アビガン」について、新型コロナの臨床研究で有効性を確認したと発表された。患者200人に投与し、肺炎などの症状が改善したという。

 「アビガン」は富士フイルムホールディングス(HD)傘下の富士フイルム富山化学が開発した。2014年にインフルエンザ治療薬として製造販売の承認を取得。3月末に、国内臨床試験の開始を発表した。原料はデンカが供給する。

 東京大学医科学研究所は3月18日、新型コロナの治療薬候補として、膵炎(すいえん)などの治療に用いられる「ナファモスタット」が有望との見方を示した。ジェネリック(後発医薬品)大手の日医工が「フサン」という商品名で販売する。

 創薬ベンチャーで東証マザーズに上場しているアンジェスは3月上旬、新型コロナを予防するワクチンを開発すると明らかにした。同社の独自技術を用いた「DNAワクチン」を使う。ウイルスのDNA(デオキシリボ核酸)情報を使用するため、安全で短期間での製造が可能とされる。製造はタカラバイオ。

アビガン=富士フイルムのウェブサイトより
アビガン=富士フイルムのウェブサイトより

 一般的な新型コロナ検査であるPCR法(遺伝子検査)のネックは検査に3時間以上かかることだが、臨床試験薬大手の栄研化学は1時間程度で済むLAMP法を開発した。ベッド脇に持ち込める小型装置を使用する。キョーリン製薬HDは15分で検出できる検査試薬を発売すると発表した。

 このほか、クラボウや東ソーなども検査時間短縮の手法を開発している。

「24時間抗菌」実現の花王

 マスク不足を背景に、原料の紙を作っている製紙会社の株が上昇する場面もあったが、増産体制が整えば収束するとして人気は落ちついた。一方、コロナショックを契機に手洗いや消毒が定着するとの見方から、関連商品を扱う企業に注目する向きがある。

 花王が19年11月に発売した「クイックル Joan(ジョアン)」はノンアルコールで99.9%除菌できる。抗菌成分に発酵乳酸を配合し、24時間抗菌を実現。大手調査機関によると、「製販一貫体制が強みで、販売チャンスを逃さず売れ行きを伸ばしている」。

 同社の手洗い関連製品も堅調な売り上げが続く。日本の上場企業で最長となる30期連続の増配を続ける花王は20年12月期も増配するとの予想を2月に発表。前期比10円増の1株当たり140円とし、記録更新となる見込みだ。

 ライオンでは手洗い関連製品「キレイキレイ」シリーズが大ヒット。同社は今年2月に開いた19年12月期の決算説明会で「20年1~3月期の売上高が好調」(同社)と説明したという。

AWS導入支援のサーバーワークス

 感染拡大が長期化し、テレワーク(在宅勤務)やオンライン(遠隔)診療が進む。

 テレワークに必要な情報インフラの関連企業に注目が集まる。サーバーワークスは、アマゾン傘下のクラウドサービス「AWS(アマゾンウェブサービス)」の導入支援から運用、保守代行まで一貫して提供。AWSはクラウドサービスで世界トップで、シェアは2位のマイクロソフトの2倍以上と推定される。AWSは今秋から政府の共通プラットフォームとして採用されることが決まっており、サーバーワークスにとって追い風だ。

 ブイキューブはウェブ会議などのコミュニケーションサービスを提供。高品質のウェブ会議サービス「V-CUBEミーティング」は業界調べで、13年連続でシェアトップを獲得。2月には新型コロナ感染の懸念から開催・参加が危ぶまれる株主総会を支援する特別配信サービスの提供を開始した。

診療アプリの登録急増

 厚生労働省は2月下旬、一定の条件で対面診療なしでの医薬品処方を認め、医療機関から薬局へファクスなどで処方箋を送付することを可能とする方針を示した。公的保険適用の条件も緩和した。

 オンライン診療システムなどを手がけるメドレーは、2月に入って同社のオンライン診療アプリに登録した新規患者数が急増したという。同社の「CLINICS(クリニクス)」は、自宅や職場から医師の診療を受けられるオンライン診療システムで、予約時間にすぐに受診可能だ。

 遠隔サービスなどのオプティムと医師の人材紹介サービスなどのMRTは両社で展開する「オンライン診療ポケットドクター」を医療機関に期間限定で無償提供すると発表。アプリを通じて取得した患者のバイタルデータを確認しながら診療ができる。

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 この記事は、週刊エコノミスト4月21日号の巻頭特集「コロナ相場に勝つ 日本株」の記事をウェブ用に編集したものです。連載「週刊エコノミスト・トップストーリー」は原則、毎週水曜日に掲載します。

週刊エコノミスト4月21日号

 
 

エコノミスト編集部

藤枝克治編集長率いる経済分野を中心として取材、編集するチーム。経済だけでなく社会、外交も含め幅広く取材する記者の集団であり、各界の専門家にコラムや情報提供を依頼する編集者の集団でもある。