高齢化時代の相続税対策

新型コロナで「身辺の断捨離」68歳社長が始めた理由

広田龍介・税理士
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 新型コロナウイルスの猛威は、中小企業オーナーの事業承継対策に大きな影響を与えている。高齢者が感染した場合、重症化や死亡のリスクが高いと報告されている。高齢のオーナー社長にとってこれは切実な問題だ。万一、自分が死亡し、会社の存続が危うくなれば、従業員やその家族にまで多大な影響が及ぶ。このため、対策を急ごうとする動きがある。

 事業承継対策でポイントとなるのは、すでに後継者が決まっているかどうかだ。決まっているのならまだ余裕がある。問題はこれから決めるという場合だ。まず、子供に継がせるのかどうか。継がせないのであれば、一族の誰かに託すか、社内から選定するか、社外から招請するか――。後継者を誰にするかで、対策の方法は全く異なってくるからだ。

 後継者にとっては、株式を過半数以上取得し、会社の支配権を維持することが重要だ。株式はオーナー一族から譲り受けることになる。後継者が一族のなかにいるのであれば、相続や贈与で株式を手に入れることができるが、一族以外であれば、売買によって株式を移転するのが一般的になる。

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広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。