ニッポン金融ウラの裏

「支払いは待ったなし!」出遅れ経済対策と業者の焦り

浪川攻・金融ジャーナリスト
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緊急経済対策を決めた臨時閣議に臨む安倍晋三首相(中央)。右は麻生太郎副総理兼財務相、左は茂木敏充外相=首相官邸で2020年4月7日、竹内幹撮影
緊急経済対策を決めた臨時閣議に臨む安倍晋三首相(中央)。右は麻生太郎副総理兼財務相、左は茂木敏充外相=首相官邸で2020年4月7日、竹内幹撮影

 新型コロナウイルス感染拡大に伴って政府が打ち出した緊急経済対策の実現に立ち遅れが目立つ。なかでも、中小・零細企業に対する資金支援制度が出遅れている。いったい何が障害になっているのか。

支給に間に合わない「雇用調整助成金」

 まず、政府が雇用維持のために打ち出した「雇用調整助成金の拡大」を見てみよう。コロナ問題で業績が急激に悪化した企業が、従業員を解雇せず休ませて当座をしのごうとしたときに、休業手当を補助する制度だ。特例として雇用保険に加入していないアルバイトやパートにも対象を広げ、助成の割合も引き上げた。

 しかし、東京都内のある飲食業者は「申請しても、助成金が得られるまでの期間が長くて使えない。申請をやめた」と言う。この制度は、従業員に休業手当を払ってから助成金を申請し、審査を経て1~2カ月後に助成金が支給される。だが、お客が激減し、売り上げが減った零細業者は店の家賃や仕入れ代金で手いっぱい。休業手当を支払うお金が乏しいから助成金が必要なのだ。

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。