高齢化時代の相続税対策

コロナが阻む「節税マンション」82歳相続対策の焦り

広田龍介・税理士
  • 文字
  • 印刷
 
 

 東京都在住のHさん(82)は昨年、相続対策の一環として、賃貸駐車場の土地を売却した。以前は、自分に万一のことがあれば、残された家族がこの駐車場を売り、相続税の納税資金に充てればいいと考えていた。だが、駐車場の路線価が高くなり、それ自体の相続税負担が増したため、計画を見直したのだ。

 新たな計画は、駐車場を売却した資金で別にマンションを買うというものだ。マンションは購入価格に比べ、相続税評価が低くなるため、そのほうが節税になると考えた。

 駐車場を売却した資金は今、手元にある。売却タイミングは絶妙だったが、うれしいことばかりではない。思った以上の高値で売れたため、売却資金は譲渡税額を納めても、駐車場の相続税評価額を上回ってしまった。現時点では相続財産の額はむしろ増えている。

この記事は有料記事です。

残り1015文字(全文1354文字)

広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。