「コロナ危機」経済の視点から

星野リゾート代表「観光業はコロナ禍をどう生きるか」

毎日新聞経済部
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星野リゾートの星野佳路代表=東京都中央区で2018年1月11日、藤井達也撮影
星野リゾートの星野佳路代表=東京都中央区で2018年1月11日、藤井達也撮影

 新型コロナウイルス感染拡大による急激な景気悪化にどう対応すべきでしょうか。経営者や有識者に提言を聞きます。初回は星野佳路・星野リゾート代表です。【聞き手は毎日新聞経済部・松倉佑輔】

 新型コロナウイルスの感染拡大で旅行客は大きく減少しており、観光業にはもちろん大きなマイナスだ。ただ、社会全体として医療崩壊を防がなくてはいけないという大事な目標があり、厳しい自粛期間は次のステップにとって大切だ。感染拡大が徐々に収まってきた段階で経済活動は緩やかに再開されると予測しているが、治療薬やワクチンができるまでは完全に需要が戻ることは難しいだろう。しばらくは自粛期間と回復期間を繰り返し、特にインバウンド需要が戻ってくるのは1年~1年半先だろう。

 2011年3月の東日本大震災の時も観光業は大きなダメージを受けたが、5月の大型連休後は、九州や北海道など東北以外の需要が戻ってきた。しかし、今回は日本全体が傷み、大市場である首都圏や関西圏からの旅行客が減少している。一部地域だけでなく日本全体への影響が大きいことが震災との大きな違いだ。

 しばらく活動に制約を受けざるを得ない中、今後の1年、1年半をどのようにして乗り切るかが経営上の大きな課題だ。中期的な目線で考える必要があり、政府の厳しい自粛要請も、感染拡大を抑えるという意味で前向きに捉えたい。星野リゾートも東京のホテルを休館にした。本社機能を担うスタッフには、テレワークの推進をすることで9割以上の出勤者を削減している。観光業界として需要の落ち込みは大きな打撃だが、今はしっかりと…

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毎日新聞経済部

経済の動きを追う記者の集団。金融市場の動き、企業動向、政府の経済政策や日銀の金融政策を日々追跡している。ワシントン、ロンドン、北京にも経済の専門記者を派遣している。