職場のストレス・マネジメント術

「モデルルームが密」無関心上司に住宅販売員の悲鳴

舟木彩乃・心理カウンセラー
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 山田さん(仮名、20代後半、男性)はマンションデベロッパーの分譲販売部門のサブリーダーです。上司はA課長(30代後半、男性)。販売中は、マンションのモデルルームが山田さんたちの職場になります。

 モデルルームでは、A課長、山田さん、Bさん(20代前半、女性)ら社員のほか、派遣会社から来た受付係や販売アシスタントなど、計15人のスタッフが働いています。コロナウイルスの感染が拡大し始めると、本社から、全スタッフのマスク着用、アルコール消毒液の設置、来場者を予約制にする--などの指示がありました。

 しかし、このような対策を「大げさだ」と言って一笑に付したのが、責任者のA課長でした。A課長は、通勤時も仕事をしている時も一切マスクを着けず、定期的な打ち合わせも、13平方メートルほどの狭い部屋に10人近いスタッフを集めて行っていました。まだ3月中のことで、職場も地方都市であったため、A課長にはそれほど危機感がなかったのかもしれません。

 ただ、A課長はプライドが高く、自分の考えを否定されるとすぐに激高する性格です。コロナ対策でも、素直に本社の指示に従いたくないようで、打ち合わせ時には「声が聞こえない」とスタッフにも全員マスクを外すよう指示し、アルコール消毒をしている人に「そんなの意味ないよ」と言ったりもしました。

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舟木彩乃

心理カウンセラー

 筑波大学大学院博士課程修了(ヒューマン・ケア科学博士)。カウンセラーとして8000人以上、コンサルタントとして100社を超える企業の相談に対応。一般企業の人事部などを経て、現在メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー企業)副社長。国家資格として公認心理師、精神保健福祉士、第1種衛生管理者、キャリアコンサルタントなど保有。著書に「『首尾一貫感覚』で心を強くする」(小学館新書)。