海外特派員リポート

外出禁止のロンドンで「行動経済学者」と考えたこと

横山三加子・毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)
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普段なら周辺に勤める会社員らでにぎわう金融街・シティーかいわいの路地裏もひっそりとしている=ロンドンで4月23日、横山三加子撮影
普段なら周辺に勤める会社員らでにぎわう金融街・シティーかいわいの路地裏もひっそりとしている=ロンドンで4月23日、横山三加子撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの日常生活の「当たり前」をすっかり変えた。外出禁止措置下の英国で私は家にこもって仕事をし、外に出るのは食料品の買い出しと気分転換のためのランニングか散歩だけ。地下鉄に乗るのも1週間に1度あるかないかだ。

 近所の住民の多くも在宅だ。欧州では日本よりも感染拡大が深刻なこともあって、人々がこれまでの行動パターンを変える「行動変容」がすんなりと進んだ気がする。もう少し自分の行動や考え方の変化を知りたくて、専門家とメールのやりとりをしながら考えた。

 「施策というものは個人にとって罰金などのコストと報酬などのメリットの双方があって機能する。しかし、ほとんどの人にとって健康であることは現状のまま。残念ながら人間は(健康の維持という)将来のメリットのために犠牲を払うのは得意ではない。(新型コロナ対策には)人々が直接メリットを経験することの難しさがある」。

 英国で行動…

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横山三加子

毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)

1981年、埼玉県生まれ。法政大学社会学部卒。2004年、毎日新聞社に入社。岡山支局、大阪本社経済部を経て13年から東京本社経済部。電機・通信業界、経済産業省や財務省、財界などを担当。19年10月から現職。