名家のルーツ

「宇津救命丸」“かんの虫”に挑んだ創業家の400年

森岡浩・姓氏研究家
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宇津救命丸=2020年5月11日、田中学撮影
宇津救命丸=2020年5月11日、田中学撮影

 「夜泣き・かんむしに宇津(うづ)救命丸」――CMで一度は聞いたことがあるフレーズだろう。筆者は最初にこれを聞いたとき、夜泣きはともかく「かんむし」とはどんな虫で、それと薬がどういう関係にあるのかが不思議だった。

 この宇津救命丸を作っているのが宇津救命丸株式会社だ。その創業家であり現在も経営を担っているのが宇津(うつ)家である。商品名・社名と創業家の名字が一致しているのは意外と珍しい。ただし、宇津救命丸の場合、商品名と社名は「うづ」と濁るが、創業家の名字は「うつ」と濁らない。もともと商品名も「うつ」だったが、「うつ救命丸」では聞き取りづらいことから、「うづ」に改めたのだという。

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森岡浩

姓氏研究家

1961年、高知県生まれ。早稲田大学在学中に独学で姓氏研究を始める。文献調査やフィールドワーク、統計を用いた実証的手法を用いる。2017年4月からNHK「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!」に出演。著書、多数。