
新型コロナウイルスをめぐる金子勝・立教大学特任教授へのインタビューは、出口が見えない現状をいかに克服すべきかに話が及んだ。金子氏は「歴史的危機の今こそ、日本は産業転換を考えるべきだ」と述べた。【聞き手は経済プレミア編集長・川口雅浩】
金子勝・立教大特任教授に聞く(3)
――新型コロナウイルスとの闘いはしばらく続きそうですが、私たちは今、何をすべきでしょうか。
◆金子勝さん 長期的な闘いを私たち自身が考えなくてはいけません。新しい技術で産業を転換して、内需を拡大しながら、新しいグローバル秩序を作っていく準備をすべきです。ひたすら金融緩和をして、株価が上がればよい、不動産が上がればよいというような発想では社会がもちません。
――これまでの経済政策の延長ではいけないということですね。
◆日本はオイルショック以降の幾多の経済危機から、多くは円安や賃下げによる輸出主導で回復してきました。しかし、…
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川口雅浩
経済プレミア編集部
1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。
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