MRJが世界を飛ぶ日

三菱スペースジェット「コロナ三重苦」で大逆風

平野純一・経済プレミア編集部
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試験飛行で名古屋空港を離陸するスペースジェット=2020年3月18日、兵藤公治撮影
試験飛行で名古屋空港を離陸するスペースジェット=2020年3月18日、兵藤公治撮影

 三菱スペースジェット(旧MRJ)に暗雲が垂れ込めている。新型コロナウイルスの感染拡大は、スペースジェットの開発の進捗(しんちょく)、開発費を支える三菱重工業の業績、機体を購入する航空会社の業績――のすべてに重大な影響を与えている。スペースジェットは今まさに「三重苦」の状態だ。

 三菱航空機(三菱重工の子会社)は3月、スペースジェットの最新試験機(10号機)を名古屋空港で初飛行させ、4月には試験飛行拠点の米国西海岸ワシントン州の空港に送る予定だった。だが、新型コロナの影響で途中の給油空港の使用許可が出ず、まだ名古屋空港に留め置かれている。

 ANAグループへの1号機納入予定は「2021年度以降」。三菱重工の泉沢清次社長は5月11日の20年3月期決算会見で、「スペースジェット事業に甚大な影響が出ていることは間違いない。新試験機の米国行きの予定はまだ立たず、全体のスケジュールを精査している」と述べ、コロナ問題の収束いかんが、納入時期にも大きく影響する可能性を示唆した。

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平野純一

経済プレミア編集部

1962年生まれ。87年毎日新聞社入社。盛岡支局、サンデー毎日編集部、経済部、エコノミスト編集部などを経て2016年から現職。金融、為替、証券、マクロ経済などを中心に取材。