職場のストレス・マネジメント術

「コロナ禍で自分を責める」ホテルマンの“罪業妄想”

舟木彩乃・産業心理コンサルタント・カウンセラー
  • 文字
  • 印刷
 
 

 伊藤さん(仮名、男性30代半ば)は、大手ホテルの本社営業企画室に所属しています。同室の10人ほどのメンバーの中でも、伊藤さんは手がけた企画の成功率が高く、仕事ぶりも丁寧です。

 学生時代からホテル業の企画や経営に携わるのが希望だった伊藤さんは、学生時代に海外のホテルでインターンを経験し、入社後は率先して残業などもこなしていたそうです。上司のA室長(男性40代後半)もその働きぶりを高く評価し、重要な案件を任せたりしていました。

 伊藤さんは、中国や韓国の富裕層の集客に成功し、昨年の秋ごろから欧州からの集客にも力を入れ始め、多忙を極めていました。仕事量が増えるにつれ、睡眠時間や食事をきちんと取れなくなり、今年の初めごろからは気力の低下を感じ、小さなミスが目立つようになりました。

 1月下旬、新型コロナウイルスによるキャンセル対応などを話し合う朝の会議に寝過ごして間に合わず、欠席したことがありました。しかし、最近の伊藤さんの疲れを察していたA室長は、「人間なんだからこういうこともある」と気遣ってくれたそうです。

この記事は有料記事です。

残り1291文字(全文1748文字)

舟木彩乃

産業心理コンサルタント・カウンセラー

 筑波大学大学院博士課程修了(ヒューマン・ケア科学博士)。カウンセラーとして8000人以上、コンサルタントとして100社を超える企業の相談に対応。一般企業の人事部などを経て、現在メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー企業)副社長。国家資格として公認心理師、精神保健福祉士、第1種衛生管理者、キャリアコンサルタントなど保有。著書に「『首尾一貫感覚』で心を強くする」(小学館新書)。