海外特派員リポート

トランプ氏がコロナ批判かわす?「中国と断交」発言

中井正裕・北米総局特派員(ワシントン)
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集会で支持者に訴えるトランプ米大統領=米中西部アイオワ州デモインで2020年1月30日、高本耕太撮影
集会で支持者に訴えるトランプ米大統領=米中西部アイオワ州デモインで2020年1月30日、高本耕太撮影

 トランプ米政権は5月15日、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と関連会社に対する米製品の輸出禁止措置を強化すると発表した。米国製の装置や技術を用いて海外で生産された半導体を新たに禁輸対象に追加することで、ファーウェイの半導体の海外調達ルートを絶つのが狙いだ。

 米中両政府は1月、相互に関税を課す米中貿易戦争を巡る「第1段階の合意」に署名し、対立緩和に進み出した。しかし、11月に大統領選を控えるトランプ大統領は、新型コロナウイルスへの対応の遅れや景気悪化に対する国内の批判をかわすため、再び対中強硬姿勢を強めている。

 「中国は新型コロナ感染を封じ込めるべきだった。非常に失望した」。トランプ氏は5月14日、米FOXビジネステレビの番組で、新型コロナを巡る中国の対応を痛烈に批判し、「中国との関係を断ち切ることも可能だ」と、断交にまで踏み込んだ。

 トランプ氏が中国批判をエスカレートさせているのは、新型コロナの感染拡大を受け、米大統領選に向けた世論調査で野党・民主党のバイデン前副大統領にリードされていることが背景にある。

 新型コロナの感染拡大を防止するための外出規制により、米国の4月の失業率は14.7%と戦後最悪の水準に悪化した。2020年4~6月期の米経済成長率はマイナス30~マイナス40%と、1930年代の大恐慌時を上回る落ち込みとなる見通しだ。

 バイデン陣営は、トランプ政権の新型コロナ対応の遅れと失業者の増大を「歴代大統領が行ったなかで最大の失政の一つ」と批判し、バイデン氏の政治経験をアピール。4月下旬から5月初めに行った各種世論調査では、中西部ミシガン、ウィスコンシンなど…

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中井正裕

北米総局特派員(ワシントン)

1975年京都府生まれ。立命館大学法学部卒。2000年毎日新聞入社。岐阜支局、中部報道センターを経て、09年から経済部で電力改革、貿易交渉、日銀などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。18年10月から現職。