職場のトラブルどう防ぐ?

「コロナ休校で職場に亀裂」44歳パートリーダーの焦燥

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A恵さん(44)は、従業員数約200人の食品メーカーのカスタマーサービス部門で働くパートです。同部門に10年以上勤務するベテランで、約30人のパートのまとめ役です。新型コロナウイルスの影響で、パートたちの中で業務負担が偏り、不満が出始めています。A恵さんは今後、パートたちのチームワークが乱れないか心配しています。

 カスタマーサービス部門のパートは女性ばかりです。勤務は1日4時間からで、子育てをしながら働く人が多くいます。年齢層は20~50代で幅広く、週2~3日勤務しています。通常、子供の学校行事や自分の用事で休むときは、事前にパート同士のシフト(勤務日)を調整し、特定の人に負担がかかりすぎないように配慮していました。

 しかし、3月2日から新型コロナウイルス感染防止のために小中高などが一斉休校になったことで、出勤できないパートが出てきました。会社は、小学生以下の子供を育てる従業員を対象に、本人が希望すれば通常シフトに組み込まれる日数の範囲内で、有給の特別休暇となる「コロナ特休制度」を導入しました。A恵さんも2人の子供がいますが、大学生と高校生なので対象外でした。

 コロナ特休制度の対象のパートは、導入当初からずっと休む人もいれば、勤務日数を減らしたり、それまで通りに出勤を続けたりする人で対応が分かれました。制度対象外のパートが出勤をしたくない場合は、シフトを減らし無給となるか、年次有給休暇を取る必要がありました。

 会社は社内で感染を防止するため、時差通勤を導入したり、職場内の消毒や換気、従業員の健康管理を徹底したりしていきました。ただ3月中旬以降、営業部門の社員が面談や出張を控え…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/