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トランプ氏が「拡散」希望する“陰謀論”オバマゲート

古本陽荘・毎日新聞北米総局長
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トランプ米大統領=2020年5月22日、AP
トランプ米大統領=2020年5月22日、AP

 トランプ大統領が「オバマゲート」と名付けた陰謀論を掲げて、11月の大統領選で争う野党・民主党のバイデン前副大統領やオバマ前大統領の批判を繰り広げている。新型コロナウイルスへの対応が思うようにいかず、批判の矛先をかわす意図が透けて見える。

 「私が議員だったら、米国史上最大の政治犯罪であり、スキャンダルについて、オバマ前大統領に議会証言を求めるだろう」。トランプ氏は5月14日、ツイッターへの投稿で、オバマ氏を議会招致するよう求めた。

 「政治犯罪」とは、2016年大統領選でトランプ陣営とロシア政府が癒着していたとされた「ロシア疑惑」は潔白であったのみならず、オバマ政権がトランプ政権関係者にワナを仕掛けていたという説を意味する。

中心人物はフリン元大統領補佐官

 その中心人物が、連邦捜査局(FBI)に虚偽の供述をした罪などに問われた元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)のフリン被告だ。司法省は5月7日に突然、フリン被告の訴追を取り下げると発表した。

 経緯を振り返ってみよう。16年大統領選が終わった後、オバマ政権は選挙にロシアが介入したと断定し、ロシアに制裁を発動した。これに関し、次期政権で要職に就くことが確実だったフリン氏は、当時のキスリャク駐米ロシア大使に電話で接触。米国に対抗手段を講じないよう求めた。

 情報当局は、キスリャク氏の電話を盗聴しており、フリン氏との会話の内容はすべて把握し…

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古本陽荘

毎日新聞北米総局長

1969年生まれ。上智大文学部英文科卒、米カンザス大大学院政治学修士課程修了。97年毎日新聞入社。横浜支局、政治部、外信部を経て2018年12月から北米総局長(ワシントン)。