ニッポン金融ウラの裏

コロナ対策遅れる?「検事長賭けマージャン」の大問題

浪川攻・金融ジャーナリスト
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黒川弘務・前東京高検検事長=東京都千代田区の法務省で2020年2月19日、玉城達郎撮影
黒川弘務・前東京高検検事長=東京都千代田区の法務省で2020年2月19日、玉城達郎撮影

 黒川弘務・前東京高検検事長の「賭けマージャン」発覚で国政の混乱が広がれば、経済が大きな影響を受ける可能性があると危ぶむ声が出ている。この問題が第2次補正予算案の国会審議にも影響し、新型コロナウイルス感染拡大の直撃を受けている事業者への公的支援策が遅れかねないとの見方だ。

後手に回った政府の支援策

 第2次補正予算案には、新型コロナ対策として中小・零細事業者への家賃補助など追加の経済支援策が盛り込まれ、6月に国会に提出される見通しだ。

 そこに、賭けマージャン問題が発覚した。今国会で黒川氏の定年延長問題が与野党対立のポイントとなっており、政府への責任追及が続いている。さらに、政府がこの問題を受けて、国家公務員の定年を引き上げる国家公務員法改正案も廃案にする考えを示したことも与野党に波紋を広げている。

 そうしたなか、「国会の混乱で補正予算の成立が遅れ、コロナ対策がさらに遅れるのではないか」(大手銀行幹部)という声が早くも聞かれる。

 こうした懸念の声が上がっているのは、政府のこれまでのコロナ対策が、後手後手に回っている印象を強く受けるからだ。政府は事業者を支援するため4月、日本政策金融公庫による実質無利子の融資制度を始めた。ところが、審査手続きが停滞し、申請から融資実行まで数カ月を要するという事態に陥っている。

 従業員への休業手当の一部を補助する雇用調整助成金についても、政府は対象範囲を広げるなど制度を拡充した。ところが申請手続きが複雑だったり、審査手続きに時間がかかったりして、申請をあきらめる事業者も出ている。

“綱渡り状態”の中小・零細事業者

 政府の経済対策が後手に回った一因に…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。