
外出自粛中の今、東京都内の大学生数百人にはやっている物があるか聞いたところ、女子では「ダルゴナコーヒー」が最も多くあがりました。現在、料理レシピサイトを運営する「クックパッド」での投稿数が約230件、写真共有アプリ「インスタグラム」での投稿数が約12万件、動画投稿アプリ「TikTok」での投稿数が約28万件あります。ダルゴナコーヒーとはどのような飲み物か、なぜ流行したのか、現役学生が調べてリポートします。
Kポップアイドルがきっかけ
女子大学生の鈴木さん(仮名)は、外出自粛中の過ごし方として「ダルゴナコーヒー作り」をあげました。「高校時代の部活のLINEグループで、一人が『ダルゴナコーヒー作ろうよ』って言ってきて、どんどんみんな作り始めた。インスタグラムのストーリーにみんなで投稿した」
「ダルゴナコーヒー」は、インスタントコーヒー・水・砂糖を混ぜて作ります。材料を10分程度泡立てると、コーヒーがクリーム状に変化します。グラスに牛乳を注ぎ、その上からクリーム状のコーヒーを乗せます。
新型コロナウイルス感染拡大の影響による外出自粛中、若者たちの間で、おしゃれなカフェを自宅で再現する「おうちカフェ」がはやりました。ソーシャルメディアを見ている時間が長くなった状況で、Kポップの「TWICE」や「BTS」などのアイドルがインターネット生配信中にダルゴナコーヒーを作ったことがきっかけにブームとなりました。
「おいしくない」のになぜ作る?
ダルゴナコーヒーの流行は、必ずしもその味がおいしいから、好きだからというわけではないようです。
「あれ結構苦いんだよね。上のクリームと下の牛乳を2:3…
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藤田結子
明治大商学部教授
東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。