高齢化時代の相続税対策

コロナで地価下落?「相続税の悲劇」避けるためには

広田龍介・税理士
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 新型コロナウイルス感染拡大問題で、深刻な景気後退も現実味を増している。不動産価格に影響するのではないかという懸念もある。地価が下落した場合、相続税の土地評価額と時価の間に差が生じる可能性がある。これからの相続税の申告には注意が必要になりそうだ。

 相続が起きた場合、相続財産はどのように評価し、どんなスケジュールで相続税を納税することになるのだろうか。最初にそれを確認しておこう。

 相続財産の評価時点は、相続が起きた日となり、それから10カ月以内に、相続税を申告し、納税する必要がある。原則は現金納付だ。

 相続財産の土地については、相続が起きた年の路線価で評価する。毎年の路線価は国税庁が7月ごろに公表するが、これは、国土交通省が毎年3月に公表しているその年の1月1日時点の公示地価の「8割水準」となっている。

 今年の公示地価は、東京圏住宅地で昨年より1.4%、同商業地で同5.2%それぞれ上昇し、7年連続の上昇となった。だが、これは1月1日時点、つまり「ほぼ昨年の実績」であり、その後の新型コロナによる影響は反映されていない。

 これは、今後公表される今年の路線価も同様だ。新型コロナの影響で地価が下がったとすれば、相続の発生と申告の時期によっては、土地の相続税評価額と時価との間にギャップが生じる可能性がある。

 路線価は公示価格の8割水準であるため、つまり残る2割部分は、地価が下がっても変動分を吸収する緩衝の役目を果たしてくれる。だが、下落幅が大きければ、時価が路線価を割り込むことはあるだろう。相続税の申告では、この「路線価>時価」が起きていないかという確認が重要になる。

 1990年代のバブル…

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広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。