カリスマ転落

ルノー会長「日産との合併計画はない」発言の真意は?

今沢真・経済プレミア編集部
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ルノーのスナール会長(左)と日産自動車の内田誠社長=2020年5月27日
ルノーのスナール会長(左)と日産自動車の内田誠社長=2020年5月27日

 日産自動車、三菱自動車、フランス大手ルノーの3社連合は5月27日、連携強化策を発表した。生産を地域ごとに分担し、技術開発でも各社の得意分野に注力し分業を加速させる。また、会見でルノーのジャンドミニク・スナール会長は「(日産との)合併の計画はない」と発言した。

 日産と三菱は2020年3月期、ルノーは19年12月期に最終(当期)損益が赤字に転落した。日産前会長のカルロス・ゴーン被告が18年11月に東京地検に逮捕、起訴され、経営の混乱が長引きイメージが失墜して販売が大きく落ち込んだためだ。

 そこにコロナ禍が加わり世界の自動車メーカーが大きな打撃を受けているが、3社は業界のなかでも業績悪化が著しい「弱者連合」といえる。その挽回策をどう示すかが注目された。

3社連合の課題が浮き彫りに

 日産(横浜市)、ルノー(仏)、三菱(東京都)の三つの拠点をオンラインでつなぎ、各社のトップが会見した。会見では3社連合の課題が浮き彫りになった。まず、3社が示した危機打開策を説明しよう。

 3社は、地域や技術ごとに1社を「リーダー」として役割分担を進め、投資額を最大4割減らす。地域では、日産が日本・北米・中国、ルノーが欧州・ロシア・南米、三菱が東南アジア・オセアニアでリーダーとなる。技術面では日産が自動運転技術と電気自動車、ルノーがインターネットとつなぐ「コネクテッドカー」、三菱はプラグインハイブリッドカーでリーダーとなる。

 これは、コロナ禍が拡大する前の今年1月末に3社が示した提携強化策の内容をより具体化したものだ。各社の強みを生かす戦略で、常識的で正攻法といえるが、平凡で、目新しさには欠ける。

 そして、3社連合を引っ張るリーダー不在が浮き彫りになった。ルノーの…

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今沢真

経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀キャップ、財研キャップ、民間企業キャップを歴任。2013年論説委員。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。

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