ニッポン金融ウラの裏

コロナ禍の旅館や商店を救え「信組版ふるさと納税」

浪川攻・金融ジャーナリスト
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新型コロナの影響を訴える石巻市の水産加工販売店=資金支援を募集するホームページから
新型コロナの影響を訴える石巻市の水産加工販売店=資金支援を募集するホームページから

 金融業界が新型コロナウイルスに苦しむ事業者への支援に動いている。その一つとして信用組合の取り組みを紹介する。インターネットを通じて資金を募る「クラウドファンディング」を活用し、信用組合の取引先である中小・零細事業者を支援するものだ。

 これは、信用組合の全国組織である全国信用協同組合連合会(全信組連)が始めた「新型コロナ対応事業者応援」だ。傘下の信用組合の取引先である旅館や食堂、酒店、ケーキ店といったさまざまな事業者を紹介し、一般の人々に対して1口3000円から5000円の小口の資金支援を呼びかける事業だ。

 募金に応じると、事業者からお礼として海産物や菓子、お酒といった商品や宿泊割引券が送られてくる。資金支援とともに、知名度向上や実質的な商品販売にもなる。信用組合を通じた「ふるさと納税」のような仕組みだ。1事業者の募集額は20万から50万円程度に設定されており、1口5000円で募集額50万円なら100人の応募があれば募集を終了する。

 全信組連は5月7日から第1期の募集を開始し、全国8信用組合の取引先である30事業者が参加した。たとえば、石巻商工信用組合(宮城県石巻市)の取引先である水産加工販売店は1口5000円で資金を募り、返礼として海鮮詰め合わせを送る。

 また、伊豆七島をエリアとする七島信用組合(東京都大島町)の取引先の酪農事業者の募集額も1口5000円で、返礼品はヨーグルト、バ…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。