職場のトラブルどう防ぐ?

「入社後すぐテレワーク」27歳新人女性どう育てる?

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 税理士のA美さん(45)はスタッフ7人の税理士事務所を経営しています。新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出た4月に、その対応として急いでテレワーク体制を整え、事務所は原則在宅勤務としました。しかし、今年1月に入所したばかりで経験の浅いB子さん(27)の人材育成について、難しさを感じています。

 事務所は、A美さん以外に、税理士資格を持つ2人とアシスタント業務を行う4人で運営しています。

 新型コロナ危機以前は、テレワークはしていませんでした。顧客企業の財務内容に関するデータを持ち出したり、外部から社内へアクセスしたりすることにためらいがあったからです。例外的に、税理士資格を持つ2人は顧客を訪問してノートパソコンを使うことがあり、繁忙期に限ってデータを自宅に持ち帰るケースはありました。

 A美さんは、新型コロナに対応し、4月からスタッフの勤務体制を見直しました。A美さん自身は事務所から徒歩数分のところに住んでいるため毎日出勤します。他のスタッフは原則テレワークとし、通勤の負担が少ないスタッフ2人に限り、郵便物の対応のため週1日だけ時差通勤することにしました。

 ただ、A美さんは今年1月にアシスタントとして入所したB子さんが気がかりでした。B子さんはそれまで会計業務の経験がなく、入所当初は他のアシスタントのスタッフから指示された業務だけをしていました。さらに、事務所は確定申告期の2~3月が繁忙期で、じっくり人材育成する時間がありませんでした。結果として、B子さんはほとんど業務経験のないまま完全テレワークとなり、顔を合わせる機会もなくなりました。

 そのB子さんが5月の大型連休後、A美さんに「在宅…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/