カリスマ転落

世界販売が急減する日産「海外2工場閉鎖」ですむか

今沢真・経済プレミア編集部
  • 文字
  • 印刷
日産自動車の決算会見は、説明資料を画面に表示することも可能だった
日産自動車の決算会見は、説明資料を画面に表示することも可能だった

 日産自動車は5月28日、決算発表に合わせて2020~23年度の中期経営計画を公表し、構造改革の一環としてスペインとインドネシアの工場を閉鎖する方針を明らかにした。日産は海外の過剰な生産設備が業績悪化の主因の一つだが、今回の工場閉鎖で販売台数に見合った生産体制になるのだろうか。

 日産は前会長のカルロス・ゴーン被告のもとで規模の拡大を目指した。東南アジアやブラジルなど新興国の工場新設に投資を集中させ、生産能力は18年度時点で年間約720万台に膨らんだ。

 一方、12年度に491万台だった世界販売台数は、ゴーン前会長の拡大方針のもと、5年後の17年度に過去最高の577万台となった。だが、この年、国内の検査不正が発覚。翌年にはゴーン被告が逮捕され、急拡大のひずみが露呈した。

 大幅な値引きで販売台数を増やした米国でも反動で販売台数が急減。18年度の世界販売台数は10年ぶりに前年を下回り、19年度は493万台と7年ぶりに500万台を割り込んだ。工場の稼働率は大きく下がり、決算の赤字となって表れた。

 昨年12月に就任した内田誠社長は28日の会見で、過去の拡大路線を「失敗」と総括し、「過度な販売台数の拡大は狙わず、選択と集中を徹底する」と述べた。そして、海外2工場閉鎖や他の工場の生産縮小により、生産能力を20%削減し、23年度に年間540万台体制にすると説明した。

 ただ、今回の海外2工場閉鎖でも、…

この記事は有料記事です。

残り807文字(全文1407文字)

今沢真

経済プレミア編集部

1959年東京都生まれ。早稲田大法卒。83年毎日新聞社に入社。静岡支局、東京本社整理本部を経て89年経済部。税・財政や金融政策を担当、銀行、メーカー、流通業を取材する。2013年から論説委員として毎日新聞の社説を執筆。15年6月から経済プレミア創刊編集長、19年6月から同編集部。16年「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)を出版。城西大非常勤講師のほか、日大経済学部などで教壇に立つ。