経済プレミア・トピックス

「六ケ所村再処理工場」は航空機の墜落に耐えられるか

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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日本原燃の使用済み核燃料再処理工場の中央制御室=青森県六ケ所村で2018年12月10日、佐々木順一撮影
日本原燃の使用済み核燃料再処理工場の中央制御室=青森県六ケ所村で2018年12月10日、佐々木順一撮影

 青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場をめぐる原子力規制委員会の安全審査は、航空機が墜落した場合の安全性が焦点の一つとなった。果たして再処理工場は航空機の墜落に耐えられるのだろうか。

 政府は2013年に決定した核燃料サイクル関連施設の新規制基準で、再処理工場に原発と同レベルの地震・津波対策のほか、航空機が墜落した場合の対策を初めて義務付けた。プルトニウムなど大量の放射性物質を扱う再処理工場で墜落事故が起きれば、通常の原発以上に深刻な被害をもたらすからだ。

 再処理工場の南約30キロには米軍や航空自衛隊が使用する三沢基地(青森県三沢市)がある。米軍がF16戦闘機を1980年代から配備しているほか、19年4月には空自の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが青森県沖の太平洋で墜落事故を起こしている。

 三沢基地と至近距離にあるため、日本原燃はこれまで「再処理工場はF16が衝突した場合でも、重要な施設の安全機能が損なわれないよう外壁等で防護する設計となっている」と説明してきた。

 日本原燃は今回の規制委の審査でも「再処理施設はF16に対して防護設計を行っており、自衛隊機および米軍機のうち、F16と同程度のものにも適用している」と安全性を主張した。

 同社によると、再処理工場の主要建屋のコンクリート壁の厚さは100センチ以上ある。このため航空機が墜落して火災が起きても、「温度上昇は外壁表面から約17センチまでの範囲で、建屋内の設備・機器の安全機能は損なわれない」という。

 最終的に規制委は5月13日、航空機墜落について「(工場の)建屋の機能が損なわれないよう設計するものであることを確認したことから、…

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部