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北尾吉孝氏「コロナ後に銀行の機能は解体される」

エコノミスト編集部
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北尾吉孝・SBIホールディングス社長
北尾吉孝・SBIホールディングス社長

 新型コロナウイルスの感染拡大で、企業の多くは経営戦略の見直しを迫られている。経営トップは「コロナ後の世界」をどう見ているのか。週刊エコノミスト6月16日号の巻頭特集「コロナデフレの恐怖」より、北尾吉孝・SBIホールディングス社長(69)のインタビューをダイジェストでお届けする。(聞き手・構成=エコノミスト編集部・稲留正英)

顧客の意識はますますデジタルへ

 金融の世界は、コロナショックで変化に拍車が掛かった。大きいのは、パンデミックを契機に、顧客の意識がますますデジタルに向かったこと。当社がオンライン証券を開業してから今年3月末に証券口座数で野村証券を抜くのに約20年を要したが、今後、こうした業界や産業構造の変化は一段とスピードを増す。

 資産運用についてもクローズアップされてくる。今回のコロナで個人商店や飲食業は皆、活動がストップした。おカネの大切さが認識され、資産形成に関心を持たざるを得ない状況になっている。

 これは、当社の地銀戦略にも関わってくる。地銀の決算を見れば、運用がうまくないことがわかる。だが、コロナ前夜に当社に運用を委託した地銀はみな、運用成績が良い。地域金融機関等から預かったお金は1兆円を超えた。

M&Aを積極的にやる

 これまで四つの地銀に資本参加したが、これからは地域金融機関だけでなく、地域経済の活性化にも直接関与していく。そのため、地方創生を推進する「地方創生パートナーズ」を設立する。さまざまな民間企業に参加してもらい、政府系も巻き込んで地方創生の一助になっていこうと考えている。

 地域で良い商品やおいしいものがあれば、当社の投資先であるBASE社を通じ、…

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エコノミスト編集部

藤枝克治編集長率いる経済分野を中心として取材、編集するチーム。経済だけでなく社会、外交も含め幅広く取材する記者の集団であり、各界の専門家にコラムや情報提供を依頼する編集者の集団でもある。