
業績悪化に歯止めがかからない日産自動車で、気になる経営者がいる。昨年12月に最高執行責任者(COO)に就任したアシュワニ・グプタ氏(49)だ。グプタ氏は5月28日に行われた2019年度決算会見で、日産再建のカギとなる米国、中国市場の戦略をそつなく説明してみせた。
グプタ氏はインド生まれ。28日の会見ではひげもじゃの独特の風貌で壇上に上がり、最高経営責任者(CEO)を務める内田誠社長(53)の隣に座った。ナンバー2として内田氏を支え、日産の世界での事業執行の最高責任者だ。
仏ルノーのインド法人に入社。その後ルノー・日産の共同購買などを担当し、次第に頭角を現した。19年4月に三菱自動車のナンバー3であるCOOに就任した。ほどなくルノーの後押しで日産に移って半年がたつ。
海外市場の戦略を冷静に説明
28日の決算会見は、日産が「内田新体制」として初めて再建計画を打ち出す場だった。内田氏が決算と海外工場閉鎖などを盛り込んだ中期経営計画を説明した後、グプタ氏らが加わり報道陣との質疑を行った。そこで、米国と中国での戦略や、三菱との提携強化策を詳しく説明したのはグプタ氏だった。
まず米国市場では、今後2年4カ月で新型車8車種を発売して商品力を高め、販売代理店との信頼回復をはかると述べた。中国市場では2台目を購入する顧客への商品に重点を当てていると説明。また、東南アジアではインドネシア工場を閉鎖…
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