海外特派員リポート

日本と対照的な英国「迅速コロナ給付」でも出口は?

横山三加子・毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)
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英国のパブや飲食店は休業が続いている=ロンドンで2020年5月9日、横山三加子撮影
英国のパブや飲食店は休業が続いている=ロンドンで2020年5月9日、横山三加子撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本や欧州など各国政府は企業や労働者を支援している。国によって状況は異なり、支援の方法や規模も異なるが、日本で目立ったのは「申請の煩雑さ」や「支給の遅さ」といった不満のようだ。では英国はどうなのか。取材すると「簡単」「早い」といった反応が返ってきた。

 「申請は従業員の情報と金額をオンラインで入力するだけで簡単だ。申請が終われば4~5日後には入金される」。そう話すのは英南部ポーツマスで会計事務所を営むダン・ヒーレンさん(38)。3月下旬以降、顧客の小規模事業者に対し、受けられる支援の説明や申請の手伝いに追われる日々が続いている。

 ロンドンで飲食店を経営する男性(73)もパソコンで休業補償制度の必要事項を入力して申請した。「簡単だよ。ジョンソン首相が感染してしまうなど、政治に対して思うことはいろいろあるが、雇用の支援はよくやっていると思う」と話す。

 英政府は外出禁止措置が始まった3月下旬に休業補償制度を発表した。休業を余儀なくされた企業に対し、従業員の給与の8割を最大月2500ポンド(約34万円)支払うものだ。雇用の継続が前提で、日本の雇用調整助成金と似た制度だ。

 修理工や美容師など自営業者にも同じような制度がある。英国でも徐々に外出制限が緩和されつつあるが、衣料品店などの再開は6月15日、パブやレストラン、理髪店などの再開は7月の予定だ。このため制度は10月末まで8カ月間続く。ヒーレンさんは「いい制度だ。事業や雇用を『一時停止できる』という表現が最適だろう」と評価する。

 簡単に申請ができ、支払いも「6営業日」(英政府)という早さを実現できるのは…

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横山三加子

毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)

1981年、埼玉県生まれ。法政大学社会学部卒。2004年、毎日新聞社に入社。岡山支局、大阪本社経済部を経て13年から東京本社経済部。電機・通信業界、経済産業省や財務省、財界などを担当。19年10月から現職。