イマドキ若者観察

コロナ下で上京「ぼっち」大学1年生の“孤独と連帯”

藤田結子・明治大商学部教授
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ズームで同級生らと語り合う大学生たち
ズームで同級生らと語り合う大学生たち

 政府の緊急事態宣言が解除され、多くの大人は会社に戻り、小中高生は登校を再開、繁華街には活気が戻り始めました。しかし、今も「独りぼっち」で部屋にいる若者たちがいます。

 それは、コロナ禍の最中に地方から上京し、1人暮らしを始めた大学1年生たちです。キャンパスで友だちに出会えない環境で、彼らはどのように孤独を乗り越えているのでしょうか。

 「最後に正門を通ったのは入試の日。早く大学に行きたい」「大学の近くに住んでいるから、スーパーに買い物に行く時にキャンパスを眺めている」

 地方から上京した新1年生たちの声です。東京の多くの大学で今年は入学式もなく、授業やサークルの新歓も大半はオンラインです。合格した大学のキャンパスに通う機会は、ほぼありません。東京以外の大学でも、1人暮らしの1年生は同じ状況でしょう。

 3月下旬に熊本から上京し、国立大に入学した大輔さん(仮名)は緊急事態宣言中、ずっと部屋で過ごしていました。買い物も3日に1回。対面して人と話す機会はありません。実家に戻る学生がいる一方で、東京にとどまるのには理由があります。

 「東京から帰省したことが広まると、実家の近所で白い目で見られるかもしれない。そう思うと簡単には帰れない。サークル活動して教室で授業受けてと、普通のキャンパスライフをイメージしていたので残念」

 そんな大輔さんですが、あるときツイッターで同じ大学の1年生が「新入生同士で関わる機会がないから何人かで集まってZoom(ズーム)で話しませんか?」というツイートをしているのを見かけました。ツイッター上には「#春から明治」「#春から早稲田」などのハッシュタグでつながろうとする大学生の…

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藤田結子

明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。