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スルガ銀行「経営危機の第2波?」これだけの予兆

エコノミスト編集部
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売却した東京・日本橋の社屋
売却した東京・日本橋の社屋

 シェアハウス問題で経営危機に陥ったスルガ銀行(静岡県沼津市)。貸出金残高の減少傾向に歯止めがかからず苦しくなっている。週刊エコノミスト6月23日号の巻頭特集「地銀の悲鳴」より、金融アナリストの山本大輔氏のリポートをお届けする。

 スルガ銀行は2018年、シェアハウス関連の不正融資が発覚し、行政処分を受けたことから、19年3月期に971億円の最終赤字を計上。経営再建が急務となり、外部に支援を求めた。6月26日の株主総会では、嵯峨行介新社長を中心に、取締役会がほぼ外部出身者に入れ替わる。筆頭株主は18.5%を保有するノジマ。野島廣司・ノジマ社長が取締役副会長として加わる。

 スルガ銀行とノジマとの業務提携については、金融とITを融合して消費者向けにサービスを提供する「リテールテックの共同事業化」などの文言が並ぶものの、市場関係者は「十分な収益化のイメージが湧かず、結局ノジマが何をしたかったのかが分からない」と突き放す。新生銀行とも一部業務提携したが、その後は表立った動きはなく、「新生もこれ以上深入りする気はないのだろう」(同関係者)。

 スルガ銀行の収益状況は、20年3月期の連結最終(当期)利益は253億円と黒字回復した。ただ、スルガ銀行の創業家が東京・日本橋の社屋を数百億円で三井不動産に売却し、その売却益でスルガ銀行からの融資を返済。銀行側は既に引当金を計上していたために多額の引当金の戻入益が計上されることになった。

 また、今年3月には問題となったシェアハウス関連の債権の一部を外部に譲渡。こちらも銀行側は既に引き当てを計上していたために戻入益が計上された。20年3月期はこれらの一過性…

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エコノミスト編集部

藤枝克治編集長率いる経済分野を中心として取材、編集するチーム。経済だけでなく社会、外交も含め幅広く取材する記者の集団であり、各界の専門家にコラムや情報提供を依頼する編集者の集団でもある。