鉄道カメラマン見聞録

カシオペアけん引「EF81」電気機関車のあせない魅力

金盛正樹・鉄道カメラマン
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寝台特急「日本海」をけん引するトワイライトエクスプレス塗色のEF81=秋田県の奥羽線・二ツ井-前山間で2010年9月8日、金盛正樹撮影(イカロス出版「jトレイン」から)
寝台特急「日本海」をけん引するトワイライトエクスプレス塗色のEF81=秋田県の奥羽線・二ツ井-前山間で2010年9月8日、金盛正樹撮影(イカロス出版「jトレイン」から)

 国鉄が作った電気機関車に、1968年誕生のEF81があります。国鉄時代から今日のJRまで在来線の電化区間には、直流電化区間と交流電化区間があり、さらに後者には50ヘルツと60ヘルツの区間があります。

 EF81は交流直流両用の電気機関車で、これら3種の区間のいずれも走行可能という優れものです。急勾配区間などの特殊な線区を除いて、電化区間なら日本全国どこへでも行ける、いわば万能機です。

 万能機のEF81は、貨物だけでなく、普通列車から寝台特急まで、さまざまな客車をけん引しました。九州、東北、北陸等、いろんな地域を駆け回り、万能機の面目躍如といったところでしょう。使い勝手のよさから、EF81は国鉄民営化後もJR各社に引き継がれ、主力機関車として活躍を続けています。

 ところで「万能」というのは人間でもそうかもしれませんが、かえって個性に乏しく、魅力に欠けるなんてことはないでしょうか?

 EF81はまさにそうです。箱形の国鉄標準タイプのデザインだったこともあって、当初それほど人気の高い機関車ではありませんでした。関門海底トンネル区間専用に作られた300番台車が、塩害対策のステンレス製銀色車体で異彩を放ってはいたものの、4両だけの少数派。標準はローズピンクといわれる、ちょっと色あせたような薄赤色の地味な存在だったのです。

 しかし長い期間の中で、特別色に塗られたものが出てきました。ある特定の列車の専用けん引機に指定され、他のEF81とは一線を画す外観となったのです。寝台特急の「トワイライトエクスプレス」や「カシオペア」のけん引機がその例で、客車のカラーリングに合わせた塗装が施されました。

 またJR東日本で…

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金盛正樹

鉄道カメラマン

 1967年神戸市生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業後、商業写真プロダクション「ササキスタジオ」に7年間在籍。1996年からフリー。鉄道専門誌や一般誌に写真を発表している。「鉄道と名のつくものは、実物から模型、おもちゃまで何でも撮影する」がモットー。日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。鉄道と同じくらいクルマも好きで、愛車はスズキジムニー。機械式カメラ、日本史、日本刀など趣味多数。