経済プレミア・トピックス

次世代にツケ「使用済みMOX燃料」という新たな矛盾

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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使用済みMOX燃料を取り出した四国電力伊方原発3号機=愛媛県伊方町で2020年1月13日、本社ヘリから大西達也撮影
使用済みMOX燃料を取り出した四国電力伊方原発3号機=愛媛県伊方町で2020年1月13日、本社ヘリから大西達也撮影

 核燃料サイクルは、原発から出た使用済み核燃料を青森県六ケ所村の日本原燃の工場で再処理し、取り出したウランとプルトニウムを「ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料」に加工して、既存の原発で「プルサーマル発電」として使うことを目指している。

 2011年の東京電力の福島第1原発事故後、国内で再稼働した5原発9基のうち、プルサーマルに対応できる原発は関西電力高浜3、4号機、四国電力の伊方原発3号機、九州電力玄海原発3号機の3原発4基しかない。

 現在、国内の原発がプルサーマルで使用しているのは、フランスに再処理を依頼し、加工してもらったMOX燃料だ。日本の電力会社は英国にも再処理を依頼していたが、英国のMOX燃料加工工場は採算がとれず11年に閉鎖したため、現在はフランス製のMOX燃料を使っている。

 では、プルサーマルに用いた後の「使用済みMOX燃料」はどうなるのか。

 20年1月13日、日本の原発で初めて、プルサーマル後の使用済みMOX燃料が、四国電力の伊方原発3号機から取り出された。

 日本のプルサーマルは09年に九州電力玄海原発3号機で始まり、これまで全国5基の原発で行われた。しかし、東電の原発事故の影響で国内の原発は全基がストップ。再稼働した原発の中で、最も早くMOX燃料を使い切ったのが伊方原発3号機というわけだ。

 続いて関西電力の高浜原発3号機でも1月27日、プルサーマルに用いた使用済みMOX燃料が取り出された。伊方原発3号機に続き、全国2例目だ。

 ところが、この使用済みMOX燃料の行き場は決まっていない。当面は原子炉建屋内の使用済み燃料プールで、十数年にわたって冷やしながら…

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部