
新型コロナウイルスによって、働く高齢者の数が大きく減っている。若者に比べて感染すると重症化するリスクが高く、健康不安から自ら退職するケースも相次いだようだ。政府は「人生100年時代」を掲げて高齢者の就労を促してきたが、新型コロナで風景が一変。人との接触が敬遠されデジタル化も進む中で、高齢者が働く場所はどう変わっていくのだろうか。【本橋敦子】
新型コロナの感染拡大が続いていた5月、埼玉県の大手コンビニチェーン店では、60代の女性従業員2人が相次いで退職した。店主の女性(45)は4月、そのうち1人から「休めないことを家族が心配している」と打ち明けられていた。
店主の女性は「新型コロナが原因だと思う。感染のリスクがあっても出勤せざるを得なかったことが離職の理由だろう」と推測。現在、早朝や昼の時間帯に働ける従業員を募集しているが、これまで応募が多かった高齢者や主婦層からの反応がない。「感染拡大中も営業を続けなければならなかったコンビニは今後、敬遠されるだろう」とため息をつく。
中期的には「働かなければいけない」
高齢者は若者に比べて感染後の重症化リスクが高く、就労への不安につながっている。厚生労働省のまとめ(6月10日時点)では、国内の新型コロナ感染者のうち、…
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