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持ち家vs賃貸論争「老後の住まい」どうするべきか

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 住宅をめぐっては、持ち家と賃貸のどちらがいいかという論争がある。価値観やライフスタイルから判断すべきだが、老後の住まいをどうするかという点は考えておく必要がありそうだ。

 持ち家と賃貸には一長一短がある。持ち家派は「家賃を払い続けるより、ローンを返済していくほうが得」と考える。ローン負担はあるが、将来完済すれば住宅費は軽くなる。賃貸派は「将来は不透明で、長期ローンはリスクが高い」とみる。家賃は払い続けなければならないが、働き方や家計状況が変わっても柔軟に対応できる。

 「持ち家か賃貸か」を考える場合、現役時代では想像しにくいが、老後の住まいをどうするかはポイントだろう。高齢になってからの賃貸住まいには、二つの問題があるためだ。

 一つ目の問題は、老後は家賃の負担感が増すことだ。現役時代は気にならなくても、年金生活で収入が減ると重荷に感じやすい。

 2019年6月、金融庁金融審議会の市場ワーキング・グループが公表した報告書が「老後2000万円問題」として話題となった。高齢夫婦無職世帯の家計は「毎月平均約5万円が不足し、老後の不足額は2000万円にのぼる」という記述が「年金では生活できないことを国が認めるのか」と批判を浴び、金融庁は「ミスリードだった」と謝罪した。

 だが、報告書の数字は的外れではない。その根拠は総務省「家計調査」の年報で、高齢夫婦無職世帯の家計モデルとして図解される定番のデータだ。ファイナンシャルプランナーら専門家も「老後家計の目安」として使うことが多い。

 18年の家計調査年報で「65歳以上の夫と60歳以上の妻」の高齢夫婦無職世帯の家計を確認しよう。1カ月当たりの平均収入…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。