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日立はなぜ「在宅勤務・欧米型人事」に移行するのか

エコノミスト編集部
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山口県の日立製作所笠戸工場から英国に運び込まれたIEP向け車両=2015年3月、日立製作所提供
山口県の日立製作所笠戸工場から英国に運び込まれたIEP向け車両=2015年3月、日立製作所提供

 グローバル市場での成長を目的に、日立製作所が“日本型雇用”をやめる。その狙いは。週刊エコノミスト6月30日号の巻頭特集「リモート経済 誰が勝つか」より、日立でグローバル人事部門を担当する中畑英信・代表執行役専務のインタビューをお届けする。(聞き手=エコノミスト編集部・浜田健太郎/岡田英)

 --「2021年4月に在宅勤務の活用を標準とする働き方の正式適用」と5月に発表した狙いは。

 ◆中畑英信さん 在宅勤務化が最終目的ではなく、職務内容を明確に定めて達成度合いを評価する「ジョブ型」の人事管理制度を加速させるのが狙いだ。日立は08年度に7873億円の巨額赤字を計上した。電力や鉄道など国内大企業向けに機器を納入する古いビジネスモデルでは立ち行かず、グローバル市場に打って出ていくしかないと経営陣が認識した。そのためには国籍や性別、年齢など多様な人材が必要になり、人事システムを世界で通用する制度に変えていく必要があるとの考えが背景にある。

 --日本型の雇用システムでは業務が遂行できなくなったのか。

 ◆日立グループには約30万人の従業員がいて、16万人が日本で、14万人が海外で働いている。私が統括するグローバル人事部門は57人が在籍し、17人は外国人で15人は欧米で働いている。世界中に散らばった仲間たちが協業するには、場所や時間を超えた働き方を取り入れないといけないし、職責や業績評価の基準を世界共通にする必要がある。そうなると、日本で主流の「メンバーシップ型(終身雇用を前提に個々の従業員の業務を細かく定めず、幅広い職種を体験させる雇用形態)」とはどうしても相いれない。

 --在宅勤務制度は以…

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エコノミスト編集部

藤枝克治編集長率いる経済分野を中心として取材、編集するチーム。経済だけでなく社会、外交も含め幅広く取材する記者の集団であり、各界の専門家にコラムや情報提供を依頼する編集者の集団でもある。