
飯田さん(仮名、女性・20代半ば)は、医療機器メーカーの営業課に所属しています。課は15人程度で、それぞれが取引先の病院を担当し、自社製品の営業や販売後のフォローなどを行います。
彼女は第2新卒としてこの会社に入社しました。そのこともあってか、早く一人前になれるよう努力していました。ただ、通常は入社半年後には持たせてもらえる担当を、彼女は半年を過ぎても持たせてもらえませんでした。
納得がいかず、上司のA課長(男性・40代前半)に、いつ担当を持たせてもらえるのか何度か聞きましたが、「もう少し様子をみましょう」という曖昧な回答しか返ってこないということでした。
メールの返信が「素っ気ない」
飯田さんの話を聴く機会があった筆者は、具体的にどういうスキルを身につけたら担当を持たせてもらえるのか、A課長に聞いてみてはどうかと提案しました。すると彼女は、「A課長は私を嫌っているので無駄です。使えない部下と思われています」と涙ながらに答えました。このとき彼女は上司に嫌われていると思い込み、ほとんど出社できなくなっていました。
筆者は「A課長のどのような言動から、“使えなくて嫌われている”と感じるのか」と質問したところ、次のような答えが返ってきました。
飯田さんは「A課長にメールをしても返信が素っ気ない」と言います。これは彼女の認識からすると、「使えない部下に丁寧なメールを返信するのは時間の無駄と思っているに違いない」と受け取っているようです。また、ある時、旅行のお土産のお菓子を課の全員に配ったところ、A課長は手を付けず机に置きっぱなしにしていたということがあったそうで、これを彼女は「私が…
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