なるほど電車ニュース

“暫定開業”虎ノ門ヒルズ駅「本気を出すのは3年後?」

土屋武之・鉄道ライター
  • 文字
  • 印刷
報道陣に公開された虎ノ門ヒルズ駅のホーム=東京都港区で2020年6月2日、小川昌宏撮影
報道陣に公開された虎ノ門ヒルズ駅のホーム=東京都港区で2020年6月2日、小川昌宏撮影

 6月6日に開業した「虎ノ門ヒルズ駅」は、東京メトロ(地下鉄)日比谷線の霞ケ関駅と神谷町駅の間にできた新駅だ。地下鉄は基本的にトンネル構造のため、駅の新設は電車の運行を続けながら、トンネルの側壁を壊してホームをつくるなどの難しい工事が必要となる。既存の地下鉄路線に新駅を作る例は限られ、東京中心部だと丸ノ内線の西新宿駅(1996年開業)や銀座線の溜池山王駅(97年開業)がある程度だ。

 難工事を経た虎ノ門ヒルズ駅だが、霞ケ関駅からは800メートル、神谷町駅からは500メートルしか離れていない。それでもこの地に駅をつくったのは、駅名にもある「虎ノ門ヒルズ」の存在が大きい。

 虎ノ門ヒルズは、2014年に完成した森タワー(52階)をはじめ、23年までに4棟の超高層ビルが建つ予定のエリアだ。オフィスや住居、商業施設などが入り、23年完成予定の駅ビル(49階)も含まれる。このエリアの真下を走っていた日比谷線を活用しない手はない。

 そして虎ノ門ヒルズ駅は、新橋を経由して東京オリンピックの会場となる晴海・お台場方面へ向かう「東京BRT(バス高速輸送システム)」のスタート地点にもなり、観客輸送にひと役買う。また、銀座線虎ノ門駅との間に連絡通路を設け、「乗換駅」にも設定された。いったん改札を出ても60分以内に乗り換えれば、改めて初乗り運賃は取られない。

 今回は電車やバスの「乗り継ぎ」に注目してみていきたい。

 虎ノ門ヒルズ駅の最終的な完成予定は23年だ。20年に開催予定だった東京五輪に合わせて暫定開業し、閉幕後に本格的な整備を行う段取りだった。だが東京五輪は延期。東京BRTもプレ運行の開始を見合わせた…

この記事は有料記事です。

残り869文字(全文1569文字)

土屋武之

鉄道ライター

1965年、大阪府豊中市生まれ。大阪大学で演劇学を専攻し、劇作家・評論家の山崎正和氏に師事。出版社勤務を経て97年に独立し、ライターに。2004年頃から鉄道を専門とし、雑誌「鉄道ジャーナル」のメイン記事などを担当した。東日本大震災で被災した鉄道路線の取材を精力的に行うほか、現在もさまざまな媒体に寄稿している。主な著書に「ここがすごい!東京メトロ」(交通新聞社)、「きっぷのルール ハンドブック」(実業之日本社)など。