イマドキ若者観察

恋愛は流行遅れ?「モテより自分らしさ」が大事

藤田結子・明治大商学部教授
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今の若者はデートで対等な関係を好むという
今の若者はデートで対等な関係を好むという

 6月上旬、厚生労働省が公表した2019年の合計特殊出生率は1.36と前年を0.06ポイント下回りました。結婚・出産が少なくなっただけでなく、「恋愛離れ」も起きていて、交際相手のいない未婚者が増えています。今回は「モテ」よりも「自分らしさ」を大事にする若者の様子をお伝えします。

 「恋愛するよりも、自分らしいことのほうが大切。自分らしさにはこだわっています」

 「彼女がいなくても、SNSがあるからさみしくはないですね」

 「恋愛はしたいが、恋愛より趣味に時間をかけたいです」

 いずれも「異性と恋愛したい」という男子大学生たちの声です。モテたい気持ちはあるけれど、「自分らしさ」を失ってまで女性に好かれる外見やふるまいをする努力はしたくないそうです。

 デートに関しては、対等な関係を好みます。私が授業のために約300人の学生に実施したアンケートで、「デートのとき、お店やメニューの選び方で好ましいものを一つあげてください」という質問をしました。すると、男子の7割は「2人で意見を出し合って決める」と回答しました。支払い方については、男女とも6割が「割り勘がいい」と回答しました。

 1980~90年代に若者だった親世代と比べて、男性がデートプランを準備して支払いもすべきだという意識は弱いようです。男子大学生に当時の雑誌「POPEYE(ポパイ)」の恋愛マニュアル特集を見せると、物珍しそうに見ます。「アッシー」「メッシー」「ミツグくん」を解説すると「すごい文化……」とひいていました。

 世間では「草食系」とやゆされることがありますが、今は親世代が演じた「男らしさ」にこだわらなくてもよくなったといえます。

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藤田結子

明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。