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フジ産経「世論調査不正」で考えた“公正”とは何か

山田道子・元サンデー毎日編集長
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衆院選の街頭演説に集まる聴衆=東京都豊島区で2017年10月21日、渡部直樹撮影
衆院選の街頭演説に集まる聴衆=東京都豊島区で2017年10月21日、渡部直樹撮影

 「フジサンケイやっちゃいましたね」。友人からこんなメールがきた。私は毎日新聞社で世論調査室長をやっていたので、「新聞社の世論調査は社論に合うよう操作しているのでは」とよく質問され、「そんなことはない」と説明してきた。このコラムでも書いた。

 それだけにフジテレビと産経新聞社による合同世論調査の不正はショックだった。毎日新聞6月20日朝刊によると、不正があったのは内閣支持率や支持政党などを問う世論調査だ。

 2019年5月から20年5月までの14回の調査で、再委託先の調査会社が実際には電話していない架空の回答を約2500件作成していた。「電話オペレーターを確保するのが難しく、利益をあげるために行った」という。

 「やっぱり」と思われたら大変だ。朝日新聞は6月20日朝刊で、フジ・産経とは別の調査会社に委託しており「朝日新聞の社員が調査会場に出向いて、調査会社の業務を管理・監督している」と説明した。

 毎日新聞は6月21日朝刊で、「対象者への電話はコンピューターがかけるため、架空のデータを調査員が捏造(ねつぞう)することはできない仕組みになっている」「調査を実施するオペレーションセンターには必ず毎日新聞の社員が立ち会い、調査員と回答者のやりとりをモニタリングする」と明らかにした。

 私も何回かモニタリングした。例えば、回答者の偏りを防ぐため、調査員は電話のかかった世帯の有権者の人数を聞き、「年齢で上から何番目の方」などとお願いするルールがある。不在の場合はかけ直す。そのような手順が守られているかなどを私がチェックするのだ。

 安倍政権寄りのフジ・産経の不正だけに「内閣支持率を高く出してきたので…

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。