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関西電力株主「脱原発しないとまた不祥事」総会で迫る

今沢真・経済プレミア編集部
株主からの質問の「発言時間」を正面スクリーン上に表示した関西電力の株主総会=6月25日(ユーチューブから)
株主からの質問の「発言時間」を正面スクリーン上に表示した関西電力の株主総会=6月25日(ユーチューブから)

 関西電力の定時株主総会が6月25日、大阪市内の会議場施設で開かれた。金品受領問題が発覚してから初の株主総会で、冒頭、森本孝社長が「(金品問題で)多大なご迷惑とご心配をおかけしました。株主のみなさまには誠に申し訳なく、深くおわび申し上げます」と陳謝した。

 壇上に座った役員は新型コロナウイルス対策で全員マスクを着用。森本氏の陳謝発言と同時に一斉に立ち上がり、全員が5秒前後にわたって深々と頭を下げた。ただ、頭を上げて座るタイミングはバラバラだった。

会社提案と株主提案の計29議案を審議

 昨年9月、会長、社長(いずれも辞任)ら多数の幹部が福井県高浜町の元助役(故人)から金品を受け取っていた問題が発覚。内部で調査を行ったのに、社外には隠していたことも加わり、法令順守や企業統治(ガバナンス)が問われた。

 この日、会社側は役員人事など3議案を提案。一方、株主側は「脱原発」や「核燃料の再処理禁止」を定款に盛り込むことや、全役員の報酬開示、総会の議事録といった情報開示を求める議案など26議案を提出した。

 大阪市、京都市、神戸市の3市も株主として脱原発などの提案を行った。3市の代理人となった河合弘之弁…

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経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀・財研キャップ、副部長を経て論説委員(財政担当)。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。22年4月に再び編集長に。同9月から編集部総括。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。