地域活性化の挑戦者たち

香川・観音寺「家具店主」がカフェ併設で成功の理由

櫻田弘文・クエストリー代表取締役
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西岡家具の店内にある「香川MADE」のコーナー=筆者提供
西岡家具の店内にある「香川MADE」のコーナー=筆者提供

 香川県の西端に位置する観音寺市は、瀬戸内海に面した人口約6万人の街で、高松市や高知市から車で1時間ほどにある。この地で、住民の「えがおが集う場所」をコンセプトに地域密着型の店作りを目指しているのが、西岡家具3代目の西岡政憲さん(41)だ。観音寺市を含む西讃地域で最大規模の家具店の他に、住民の憩いの場としてカフェを運営する。

 JR観音寺駅から車で東に10分ほどのところにある西岡家具は、倉庫型の2階建て店舗だ。北欧風やアメリカンビンテージ風などテイスト別にコーディネートし、顧客に提案する販売手法が特徴だ。2018年の店舗リニューアルを機に県産品コーナー「香川MADE」を店内に設け、伝統工芸や加工食品を通じて地元・香川の魅力を発信し始めた。

 観音寺の沖合にある伊吹島周辺で取れるカタクチイワシが原料の「伊吹いりこ」は希少な高級品で地元に出回ることはなかったが、同店で扱うようになると口コミで人気が広がった。他にも、西讃地域の嫁入り菓子「おいり」や工芸品「張子虎」、県東部の東かがわ市で生産が盛んな手袋や靴下などを扱う。生産業者は新型コロナウイルスの影響で都市圏への販売が激減したが、地元にも販路があったことを、改めて喜んでいるという。

 西岡さんは「当店は、自分たちがワクワクして取り組むことで結果的に地域の皆さんに喜んでもらえたらうれしい。四国の笑顔のランドマークを目指したい」と語る。昨年6月は、家具店のバーゲンに合わせて「夏フェス」を開催した。地元のアクセサリー作家やパン職人、ネイリスト、プロカメラマンなどが出店し、2日間で約2500人を集客した。家具店隣接のカフェで地元の農作物を販売するマルシェも年2~3回開催し、好評だ。

 西岡さん…

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櫻田弘文

クエストリー代表取締役

1955年山梨県生まれ。日本大学卒業後、78年に販売促進の企画・制作会社に入社。2001年、クエストリーを設立して独立。中小企業経営者向けの「クエストリー・ブランディングクラブ」を主宰する他、数多くの専門店や飲食店のブランディングを実践的に指導している。