人生100年時代のライフ&マネー

パートの厚生年金加入が「みんなの老後」を支える理由

渡辺精一・経済プレミア編集部
  • 文字
  • 印刷
 
 

 年金制度改革関連法が5月29日成立した。パートなど短時間労働者が厚生年金に加入しやすいよう要件を緩和することが大きな柱だ。これは、みんなの将来の年金額にどう関わってくるのだろうか。

 公的年金制度は、1階が国民年金、2階が厚生年金の2階建てになっている。国民年金は自営業者ら、厚生年金は雇われて働く人の年金という位置づけだ。

 厚生年金には、従業員5人未満の個人事業所などを除き、70歳未満の人が加入する。ただし、短時間労働者は、労働時間がフルタイムの人の4分の3(週30時間)未満なら加入を除外する運用をしてきた。

 かつて短時間労働者は夫に扶養される専業主婦が中心だったため、問題はなかった。だが、1990年代以降、非正規で働く人が増え、状況は変わった。国民年金加入者(第1号被保険者)は短時間労働者ら非正規の人が40%を占め、自営業者らの24%を上回る。

 90年代に社会に出た就職氷河期世代は望まないのに非正規で働く人も多い。この世代は現在40代。老後資金を手当てするための残り時間は少ない。

 そこで加入要件の拡大が求められている。2016年には(1)労働時間週20時間以上(2)月収8万8000円以上(3)勤務期間が1年以上見込まれる(4)企業規模が従業員500人超――を満たす人(学生は除く)も対象にした。

 今回の改正はこれを広げた。勤務期間は22年10月から「2カ月超」に、企業規模は、22年10月から「100人超」、24年10月から「50人超」に広げる。約65万人が新たに加入する見通しだ。

 短時間労働者が厚生年金に加入できれば、三つのメリットがある。

 第一に、年金額が増える。国民年金だけ…

この記事は有料記事です。

残り1369文字(全文2069文字)

渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。