
政府が7月半ばごろにまとめる予定の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」が、例年以上に注目されている。同方針は毎年の予算編成や税制改正の指針となるもので、今回は2021年度当初予算案などに反映させる重要な文書だ。
今年は新型コロナウイルス感染症の影響などがあり、ポストコロナの経済政策にどのような方向性が示されるのか、政府や与党関係者の関心が高まっている。
財務省は各省庁に喫緊の新型コロナウイルス対策の事務、政策に注力してもらうため、21年度予算の概算要求基準(シーリング)を簡素化する姿勢を示している。このため「骨太の方針」も、当面の経済財政運営に必要な政策に絞り込むなどスリム化を目指している。
デジタル化の推進など急務
政府は6月22日、「骨太の方針」の骨子案を提示した。新型コロナウイルスをめぐっては、行政のデジタル化の遅れから、1人10万円の現金給付に遅れが出るなどの問題が起きた。これを踏まえ、政府はポストコロナに向けた「新たな日常」の実現に向け、行政のデジタル化やテレワークの普及など、社会のデジタル化への集中投資や環境整備を掲げた。
さらに、製造業のサプライチェーン(供給網)の国内回…
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森有正
毎日新聞津支局次長
1974年神奈川県生まれ。2001年毎日新聞社入社。長野、松本支局を経て、2006年から経済部で情報通信行政やIT企業、鉄鋼業界などを担当した。12年4月から中部報道センターで、トヨタ自動車や中部電力などを取材。19年4月から国の予算編成などを担う財務省を担当し、20年4月からキャップを務めた。20年10月から現職。