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シニア女性「10万円給付金」年代別で使い方が大違い

梅津順江・株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長
 
 

 新型コロナウイルス感染拡大への緊急経済対策で、国民1人当たり10万円の特別定額給付金が給付されています。私が所属する「ハルメク 生きかた上手研究所」は5~6月に「新型コロナウイルスが問題になってからの意識や行動の変化」に関する郵送調査を行いました。55~74歳の女性1000人に郵送して291人から回答を得ました。その中で「10万円」について尋ねたところ、年代別で使い方が異なる傾向が読み取れました。

ほぼ全員が「受け取る」

 まず「あなたはこの10万円を受け取る予定ですか?」という質問に、ほぼ全員の98.3%(286人)が「受け取る」と回答しました。「受け取らない」と答えたのは1人だけで、他の4人は「検討中」か「無回答」でした。

 受け取ると答えた286人に「10万円を何に使いたいですか?」と尋ねました(複数回答)。回答が多かったのは、「旅行に使う」57人(19.9%)、「貯金する」56人(19.6%)、「子どもや孫への援助」48人(16.8%)でした。「まだ決めていない」「その他」を選ぶ人も多く、それぞれ54人(18.9%)、49人(17.1%)でした。

家計の足しや備えに

 5歳刻みの年代別にみると、原則として年金受給前の50代後半、60代前半と、年金受給後の60代後半、70代前半で、10万円の使い方に異なる傾向があることがわかりました。

 50代後半(47人)は…

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株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長

大阪府生まれ。杏林大学社会心理学部卒業後、ジュジュ化粧品(現・小林製薬)入社。ジャパン・マーケティング・エージェンシーを経て、2016年3月から現職。主に50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを行っている。著書に、「この1冊ですべてわかる 心理マーケティングの基本」(日本実業出版社)などがある。