経済プレミア・トピックス

「独自ハイオクを混合」消費者にはわからないカラクリ

川口雅浩・毎日新聞経済プレミア編集長
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自動車ユーザーのガソリンに対する関心は高い=東京都内で2020年7月1日、川口雅浩撮影
自動車ユーザーのガソリンに対する関心は高い=東京都内で2020年7月1日、川口雅浩撮影

 現在、石油元売り各社が販売するハイオクガソリンは、ENEOS(エネオス)の「ハイオクガソリン」、出光昭和シェルの「出光スーパーゼアス」「Shell V-Power」、コスモ石油の「スーパーマグナム」、キグナス石油の「α-100」、太陽石油の「SOLATOプレミアムガソリン」がある。

 このうち太陽石油は特に性能を宣伝していないが、コスモ石油が「レギュラー比で最大2.8%燃費向上、吸気バルブの汚れ付着率80%低減」、出光昭和シェルがスーパーゼアスについて「レギュラー比で最大2.7%低燃費、吸気弁の汚れ64%低減」などと宣伝している。

 このうち製油所から全国のガソリンスタンドまで自社の独自ルートでハイオクを運んでいるのは、業界2位の出光昭和シェルの「Shell V-Power」だけだ。旧昭和シェル石油が精製し、販売する「Shell V-Power」は「沖縄県と離島を除いて販売しているが、全国のスタンドに直接運んでいる。混合やバーター取引などしていない」(出光昭和シェル)という。

 業界1位のエネオスはどうか。同社は前身の新日本石油時代の2002年に発売したハイオク「エネオスヴィーゴ」の販売を18年9月末で終了した。ヴィーゴは「燃費が最大3%向上」などと高性能を誇る看板商品だった。

 現在、エネオスが販売するハイオクには「ヴィーゴ」のような商品名はなく、ただの「エネオスハイオク」となった。効用についても「エンジン吸気弁に新たな汚れが付着することを防ぐ」など、控えめなアピールしかしなくなった。

 なぜなのか。同社によると、かつてのヴィーゴは「製油所と油槽所に専用タンクを配備するなど独自の供給体制を構築し…

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川口雅浩

毎日新聞経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部