スルガ銀行 不正の構図

スルガ銀“借金アリ地獄”今も抜け出せない30代専門職

今沢真・経済プレミア編集部
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閉会直後のスルガ銀行の株主総会会場。「動議があるぞ!」などと声が飛び交った=2020年6月26日(株主提供、画像を一部加工しています)
閉会直後のスルガ銀行の株主総会会場。「動議があるぞ!」などと声が飛び交った=2020年6月26日(株主提供、画像を一部加工しています)

 東京都板橋区のある駅から徒歩10分の住宅街に、雑草が茂る一角がある。広さ約100平方メートル。「立ち入り禁止」の黄色いテープが張ってあるが、勝手に車が2台駐車されている。

 空き地は、東京近郊に住む30代男性の所有だ。この2年間、シェアハウス購入の借金で苦しみ、それが解決した今も、この空き地をめぐる約8000万円の“債務者”としてスルガ銀行から返済を求められている。

 男性は専門職。収入は多いが超多忙だ。渡米して働くことを考えていた4年前、元同僚からシェアハウス購入を誘われた。何度も断ったが「俺が責任を持つ。家賃収入は保証されているし、ヤバくなったら俺が買い取る」としつこく言われた。

 融資の審査書類を書き、スルガ銀行横浜東口支店に提出した。貯金は数百万円。「まさか通るとは思っていなかった」が、融資OKだという。2016年に最初のシェアハウスを購入。元同僚が「もう1棟」と言うので翌年、2棟めを買った。自己資金はゼロ。2棟で2億円余りの借金となった。

 17年秋、元同僚が今度は「板橋区に新築するアパートを買わないか。これも家賃保証だから」と言ってきた。3階建て全9部屋で、約1億円だという。融資…

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今沢真

経済プレミア編集部

1959年東京都生まれ。早稲田大法卒。83年毎日新聞社に入社。静岡支局、東京本社整理本部を経て89年経済部。税・財政や金融政策を担当、銀行、メーカー、流通業を取材する。2013年から論説委員として毎日新聞の社説を執筆。15年6月から経済プレミア創刊編集長、19年6月から同編集部。16年「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)を出版。城西大非常勤講師のほか、日大経済学部などで教壇に立つ。