食の情報ウソ・ホント

ヨーグルト「腸内環境改善」表示をEUが認めない理由

小島正美・「食生活ジャーナリストの会」代表
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 国が審査・許可した健康効果を表示できる特定保健用食品(トクホ)制度が誕生して今年で30年目。特にヨーグルトや乳酸菌飲料は「腸内環境を改善」というトクホ表示がおなじみとなり「健康食品の代表格」の座にある。だが意外にも欧州連合(EU)ではこうした表示は認められていない。

世界に先駆けたトクホ

 トクホは、事業者から申請のあった食品ごとに、国(消費者庁と食品安全委員会)が有効性と安全性を審査し、特定の健康効果の表示を許可する制度だ。許可を得れば、事業者は製品にトクホマークをつけることができる。

 制度は1991年、国民の健康増進を目的にスタート。現在、欧米や中国、韓国などでも同様の表示制度を導入しているが、トクホはその先駆けだ。

 トクホの表示には「おなかの調子を整える」「食後血糖値の上昇抑制」「コレステロールの吸収を抑える」などがあり、これまでに1072品目が許可されている。

 トクホの中でもおなじみなのは、乳酸菌やビフィズス菌などを含むヨーグルトや飲料だ。「腸内細菌のバランスを改善して健康に良い効果をもたらす」とされる微生物を「プロバイオティクス」という。トクホは、プロバイオティクスを含む製品について「おなかの中の良い菌を増やし、悪い菌を減らして、腸内の環境を改善し、おなかの調子を整える」といった健康効果の表示を認めている。

腸内環境と健康の関係は?

 製品ごとに国が審査・許可しているため、こうした表示には一定の科学的根拠があるはずだ。だが、食品のリスク問題に詳しい畝山智香子・国立医薬品食品衛生研究所安全情報部長は「EUは、ヨーグルトなどのプロバイオティクス製品に『腸内環境を改善する…

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小島正美

「食生活ジャーナリストの会」代表

 1951年愛知県犬山市生まれ。愛知県立大学卒業後、毎日新聞社入社。松本支局などを経て、東京本社・生活報道部で主に食の安全、健康・医療問題を担当。「食」をテーマとして活動するジャーナリスト集団「食生活ジャーナリストの会」代表。著書多数。