海外特派員リポート

日本の先を行く英国「脱レジ袋社会」にコロナの影

横山三加子・毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)
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英国では新型コロナウイルスの影響で持ち帰りの飲食が増え、プラスチックの利用も増えている=ロンドンで2020年7月3日、横山三加子撮影
英国では新型コロナウイルスの影響で持ち帰りの飲食が増え、プラスチックの利用も増えている=ロンドンで2020年7月3日、横山三加子撮影

 7月1日、日本のコンビニやスーパーなどでプラスチック製の使い捨てレジ袋の原則有料化が始まった。地球温暖化や海洋汚染問題が深刻化する中、必要性の低いプラ製品の利用を抑えるのが狙いだ。

 世界に目を転じれば、使い捨てプラ製レジ袋の有料化は多くの国で当たり前になりつつある。視線はストローなど他のプラ製品の規制に向いている。ところが、こうしたプラ削減の取り組みにも、新型コロナウイルスの影響がじわりと押し寄せている。

 6月下旬の昼過ぎ、ロンドン北西部のスーパーで買い物を済ませたヘンリック・ニールセンさん(60)が手にしていたのは、麻製の買い物袋だ。スーパーのオリジナル買い物袋で4.5ポンド(約600円)するが、繰り返し使ってもへたらないという。

 ニールセンさんは「買い物にはいつもエコバッグを使う。環境に負荷のかかるプラスチックを減らすことにしっかり立ち向かうためだ」と意義を語る。日本でも有料化が始まったと伝えると、少し驚いた表情で「随分出遅れていると思うが、いい考えだ」。

 英イングランドでスーパーなどの使い捨てプラ製レジ袋の有料化が始まったのは2015年10月。従業員数が250人以上の小売業を対象に、使い捨てプラ製レジ袋について5ペンス(約7円)支払う必要があるというものだ。

 今では多くのスーパーは使い捨てプラ製レジ袋の販売をやめ、その代わりに繰り返し使える丈夫なプラ製(10ペンス程度)や麻製の買い物袋を店頭に取りそろえている。

 成果は数字で明白だ。英政府によると、イングランドでは14年に76億枚以上の使い捨てプラ製レジ袋が主要スーパーで用いられ、1人当たりの使用量は年140枚にも上って…

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横山三加子

毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)

1981年、埼玉県生まれ。法政大学社会学部卒。2004年、毎日新聞社に入社。岡山支局、大阪本社経済部を経て13年から東京本社経済部。電機・通信業界、経済産業省や財務省、財界などを担当。19年10月から現職。