経済記者「一線リポート」

「Go Toキャンペーン」予算1.7兆円 言い値のまま温存?

工藤昭久・毎日新聞経済部記者
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参院予算委員会で予算審議に臨む麻生太郎財務相(右)と安倍晋三首相(左)=国会内で2020年6月12日、竹内幹撮影
参院予算委員会で予算審議に臨む麻生太郎財務相(右)と安倍晋三首相(左)=国会内で2020年6月12日、竹内幹撮影

 新型コロナウイルス対策の第1次補正予算に盛り込まれた観光需要喚起策「Go Toキャンペーン」のうち、旅行代金の補助が7月22日からスタートする。約1.7兆円という前例のない予算規模の観光支援キャンペーンだが、事務委託費に予算の18%が充てられていることが明らかになり、6月の国会では大きな議論となった。

 財務省の査定が甘くなりがちな補正予算に盛り込まれた政策だから、これだけ事務委託費が膨らんだとの指摘も出ている。安倍政権の予算にまつわる多くの問題点は解明されたとは言えない。

 「Go Toキャンペーン」は、旅行代金の半額分を補助したり、旅先の飲食店や土産物屋で使用できるクーポンを配布したりして、観光や飲食業の消費活性化を狙うものだ。そのほかイベント振興策や商店街の販促事業への補助なども盛り込まれ、予算は約1.7兆円に膨れ上がった。

 大部分は割引やクーポンなどの原資だが、事業を取り仕切る事務局への事務委託費の上限が3095億円と予算の18%を占めていることが判明。野党からは「巨額で算定根拠があいまいだ」などとやり玉にあがった。

 事務委託費が18%となる算定根拠について、政府はここ数年の被災地の観光振興事業に計上した事務委託費の割合を参考にしたと説明する。2016年の熊本地震や18年の北海道地震などで被災した地域の観光振興策「ふっこう割」の事務委託費はおおむね2割前後だった。

 だが、熊本地震後の「九州ふっこう割」の予算は180億円、北海道地震後の「北海道ふっこう割」は81億円。「Go Toキャンペーン」の約1.7兆円と比較すると金額が2桁も小さく、事務委託費算定の参考になるのかという指…

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工藤昭久

毎日新聞経済部記者

 1974年生まれ。立教大学法学部卒。生命保険会社勤務を経て、2000年毎日新聞社入社。静岡、浜松支局を経て04年から東京経済部。財務、総務、経済産業、農林水産などの中央官庁や産業界、金融業界、財界などを幅広く取材。18年4月から大阪経済部編集委員として関西経済を取材。20年4月から経産、農水両省、エネルギー業界の取材を束ねるキャップ。